不可能を可能にするリフォーム Vol.1

最終更新日:2023/6/16 公開日:2022/4/1

ENLARGEスタッフブログをご覧のみなさま、こんにちは。

 

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エンラージにリフォームを任せて本当によかった!!」と言っていただいたお客様の中には、

一度はリフォームを諦めかけてしまっていた方」が何人もいらっしゃいます。

 

これぞ別格

 

そんなみなさんはなぜリフォームを諦めかけてしまっていたのか

それは、リフォームの内容があまりに難しすぎたから。

 

 

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あるリフォーム会社からは「当社では実現できない」と断られてしまったり、

また別のリフォーム会社からは「このやり方であれば実現できる」と言われながらも、

それはお客様の理想からはかけ離れた安易な提案だったりしたから。

 

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そんな不可能とも思えるリフォームを諦めかけてしまったお客様に巡り会った私たちエンラージスタッフは、

「不可能を可能にするリフォーム」をいくつも実現してきました。

 

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私が設計・施工管理を担当してきたいくつもの「不可能を可能にしたリフォーム」の中から、

特に難易度の高かった、またそれゆえに特に思い入れの深いプロジェクトとなった5件を、

シリーズ形式で紹介します。

第1弾の今回は・・・

 

 

 

2階のみの増築

 

増築」と聞いてイメージされるのは、おそらく、

建物の一角に隣接して、平屋または2階建ての部屋を増設したり、

あるいは建物から離れた場所に独立したもう一つの小さな家を建てたり、

といった事と思います。

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今回紹介するのは、そう言った一般的な増築とはまた違う、

2階部分のみを増築するというプロジェクトでした。

2階部分だけの増築、実は極めて難しい工事です。

 

なぜなら、

①2階で増築する部分の真下には、ほぼ必ず1階の屋根=下屋があり、

下屋の形状を変更または撤去する必要がある。

 

②2階の周囲に増築する際、元々の2階屋根の形状・勾配の制約があり、思い通りに間取りを構成できない

あるいは、新しい間取りに合わせて屋根の形状・勾配を大幅に変更する必要がある。

 

つまりこれは、屋根を改修中に雨が降った場合、2階屋内はもちろん、

場合によっては1階にまで雨水が漏れてしまうリスクがあることを意味します。

また、屋根の形状を変える事は、構造・防水・各部納まりといった、

複雑な要素を総合的に考慮しながら設計・施工をする必要があり、そもそも難易度が高いのです。

 

今回紹介するこのプロジェクトのお客様は、ご出産を機に実家に暮らす親御さんと一緒に暮らすこと、

つまり二世帯住宅化を希望されました。

ただご実家はごく一般的な広さの家屋ではありましたが、1階がやや広め、2階はややコンパクトに建てられた家。

1階を親御さんだけのスペースとして考えた場合、2階部分だけではスペースが足りず、生活が完結できません。

 

その結果、2階部分のみの増築という、難易度の高いリフォームを選択せざるを得ませんでした。

さらにこのプロジェクトを難しくしたのは、1階に暮らす親御さんが在宅・生活されたまま、この工事を進める事。

つまり、上記で掲げたリスク、すなわち1階への雨漏れを絶対に阻止しなければいけないという事です。

 

 

 

2階増築の設計

下記に設計図の一部を掲げます。

2階既存平面図S2階改修平面図S

 

2階だけで生活スペースを完結させるため、単なる増築だけでなく大幅な間取り変更も施しています。

また2階で増築する範囲の直下にはほぼ1階下屋が存在します。

 

 

 

2階の屋根も見てみましょう。

2階既存屋根伏図S2階改修屋根伏図S

 

こちらもご覧の通り、増築する範囲をカバーするように、屋根の範囲・形状が大幅に変更されています。

 

 

 

2階増築の施工

では実際の施工の様子を順を追って説明しましょう。

 

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●改修前の外観

足場を架け、解体が始まっています。

 

後日談ですが、この工事は平成25年10月2日に着工。

解体が進み外壁や屋根の一部がない状態であったまさに最悪のタイミング、10月15日から16日にかけ、

「関東地方に接近・上陸する台風としては10年に一度の強い勢力」と警戒された台風26号の直撃を受けました。

 

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●台風襲来直前の状況

外壁も屋根も穴が開いているところはブルーシートで被覆。

現場担当大工たちの入念な雨養生によって、

幸いにも家屋内への漏水はほとんど皆無と言っていいほどの結果でしたが、

暴風雨の中、現場状況を確認しに行き、その晩は心配で眠れなかったのを覚えています。

 

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●屋根形状改修

大きな被害なく台風も過ぎ去り、いよいよ本格的に屋根形状の変更に取り掛かります。

写真手前に見えているやや太く新しい角材は、架け替える屋根の先端に位置する「軒桁(のきげた)」。

元々の軒桁より「ひと軒」=約91㎝前に出てきます。

新しい軒桁の上に新しい屋根を架けていきます。

 

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●小屋梁補強

新しい屋根の内部ではそれを支える梁も組み替えられています。

左右の写真はほぼ同じ場所から撮っていますが、左の写真の左手奥の外壁を取り払い、

右の写真の左手奥が増築されて拡張されています。

 

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●構造補強

増築・屋根拡張に際しては、もちろん構造金物取付補強もしっかり実施。

 

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●屋根範囲拡張

屋根を「ひと軒」前に延ばすために、屋根板を支える「垂木」も延長。

右の写真は同じ部分を中から見たところ。

左側の古い柱が元々の外壁を支えていた柱。

右に「ひと軒」出たところが新しい外壁ライン。

 

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●屋根下地改修

既存の屋根を拡張するように新しい屋根の下地を造っています。

 

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●屋根葺き替え

屋根下地の拡張が完了し、屋根全体を新しい屋根材で葺き替えていきます。

 

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●外壁塗装

増築した部分の外壁も新しく下地を造り、外壁全体を塗装します。

 

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改修前                     改修後

●外観の変化

少しわかりにくいアングルですが、よく見ると家の形が大幅に変わっていることがわかります。

 

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●完成後内部の様子

奥の畳の部屋のほとんどが増築部分です。

 

 

 

いかがでしたでしょうか、「不可能を可能にするリフォーム」第1弾「2階のみの増築」。

 

本当に大変な大変な工事ではありましたが、2階に暮らすことになるお客様にも、

1階で暮らし続ける親御さんにも、大いに喜んでいただけて、ホッとしました。

工事後9年近くたった今でも、当時の様子を克明に覚えているほど、

私にとっては凄くチャレンジングで思い入れ深いプロジェクトでした。

 

工事完了直後掲載の詳細な施工事例ページはこちら。

大規模な増改築で念願の2世帯住宅を手に入れる!


 

<DATA>

工事内容:戸建住宅二世帯化(2階増築)

工事時期:2013年秋

工事面積:約20坪

工事費用:約2400万円(※)

(※同一工事を現在実施した場合、建材費・労務費上昇分、消費税率増分を考慮した税込推定額)

 


 

他社では難しいリフォームも、エンラージなら安心・安全・確実・快適に実施できます。

一級建築士:2名、二級建築士:6名、耐震診断・改修技術者:5名、二級施工管理技士:5名、

インテリアコーディネーターや福祉住環境コーディネーター等、

多くの建築関連資格を持ち、経験・実績豊富なプランニングスタッフと、

数々の難しい工事を実際に成し遂げてきた高い施工技術を有するエンジニアリングスタッフが力を合わせ、

あなたの希望を必ず実現します!

 

 

 

<次回予告>

不可能を可能にするリフォーム

CASE2:通し柱を切るって!?

お楽しみに!

 

北野支店  店長:一級建築士 荻田 義之

カテゴリー:北野店 |
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